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歯を失うと、残った歯が少しずつ移動して空いたスペースを埋めようとします。また、抜歯した場合、対合歯(噛み合う歯)が伸びてくることもあります。歯が1本でも失われると、噛み合わせのバランスが崩れ始めるのです。
無意識のうちに行われる歯ぎしりや食いしばりは、歯を徐々に磨耗させ、かみ合わせを変化させます。特にストレスの多い現代社会では、気づかぬうちに行っている方が非常に多いです。
年齢を重ねるにつれて、顎の骨や筋肉にも変化が生じます。骨密度の低下や筋力の衰えによって、顎の位置が変わり、結果としてかみ合わせも変化することがあります。
残念ながら、歯の詰め物や被せ物が適切な高さや形状でない場合、かみ合わせのバランスが崩れることがあります。特に複数の歯を同時に治療した場合は注意が必要です。
顎関節症や顎の骨格的な問題があると、かみ合わせが変化することがあります。関節円板の位置異常や顎関節の炎症は、顎の動きに影響を与え、結果的にかみ合わせも変わってしまいます。
- 歯の過度な磨耗: バランスの悪いかみ合わせは、特定の歯に過度な負担をかけ、早期に磨耗させます。
- 歯の亀裂や破折: 過度な力がかかることで、歯に亀裂が入ったり、最悪の場合は破折することもあります。
- 歯周病のリスク増加: かみ合わせの不均衡は、特定の部位に過度な圧力をかけ、歯周組織にダメージを与えることがあります。
- 頭痛: かみ合わせの異常は、頭痛や緊張性頭痛の原因となることがあります。
- 肩こりや首の痛み: 顎のバランスが崩れると、首や肩の筋肉に過度な緊張が生じ、それが原因で痛みを引き起こすことがあります。
- 姿勢の変化: 顎の位置が変わると、頭の位置を保つために姿勢全体が変化することがあります。
- 消化器系の問題: 食べ物を十分に噛めないことで、消化不良などの消化器系の問題が生じることもあります。
- ストレスの増加: 噛みづらさや痛みが続くことで、日常的なストレスが増加します。
- 自信の喪失: 特に前歯のかみ合わせが変わると、笑顔や会話に自信が持てなくなることがあります。
顎関節症は、顎の関節や周囲の筋肉に問題が生じることで、痛みや不快感を引き起こす疾患です。日常生活において、食事や会話などの基本的な動作に支障をきたすことがあり、多くの方に影響を与えています。
不正なかみ合わせは顎関節に不均等な力をかけ、関節や筋肉に負担をかけます。これが長期間続くと、顎関節症の症状として現れることがあります。
- 顎の痛みや不快感
- 顎を動かす際のクリック音やポッピング音
- 口を大きく開けることが難しい
- 顎の筋肉のこわばりや疲労感
- 頭痛や耳鳴り
かみ合わせの変化は、重大な口腔内の問題のサインかもしれません。自己判断せず、早めに歯科医院を受診しましょう。
- いつから変化に気づいたか
- どのような場面で不快感を感じるか(食事中、会話中など)
- 痛みを伴うかどうか
- 顎を動かした時に音がするかどうか
こうした詳細な情報は、適切な診断と治療計画の立案に役立ちます。
歯科医院を受診するまでの間、以下の方法で症状を和らげることができる場合があります。
硬い食べ物を避ける: 顎に負担をかける硬い食べ物は一時的に避けましょう。顎の無理な動きを避ける: 大きく口を開けるなど、顎に負担をかける動きは控えましょう。
- 口腔内の詳細な検査: 歯や歯ぐきの状態、かみ合わせのチェック
- レントゲン検査: 顎の骨や歯の根の状態を確認
- CT検査: 顎関節の詳細な状態を把握
- 筋肉の触診: 顎や首の筋肉の緊張度や痛みを確認
1.COPAスプリント治療または通常のスプリント治療
当院では、顎関節症をもつ患者さんの治療には「COPA(コパ)スプリント」という硬い樹脂のマウスピースを使用して、痛みをとり筋肉のこわばりをほぐしていきます。そして、COPAスプリントを調整しながら下あごを痛みやこわばりの無い生理的な位置、つまり、顎関節を不快症状のない位置に導いていきます。COPAスプリントまで必要なさそうな方には通常通りのスプリント治療を行います。
この治療には個人差があり、概ね2〜6ヶ月程度かかります。軽症の場合はこのスプリント治療で終了です。顎位の変化が著しい場合は、不快症状のない顎位が決まったら、今度はその顎位で上下の歯がきちんと噛めるように咬合調整またはマウスピース矯正を開始していきます。
2.マウスピース矯正(インビザライン)
かみ合わせの改善には、歯列矯正が効果的な場合があります。当院では、透明で目立たないマウスピース型のインビザラインを使用した矯正治療を行っています。
インビザラインの利点:
- 目立たない装置で歯並びを治療できる
- 食事をおいしく、装置を気にせず楽しめる
- 金属アレルギーの方でも安心
- 痛みや違和感が少ない
- 口腔内を清潔に保ちやすい
- 毎日の歯みがきをストレスなく行える
3.歯の調整や修復
場合によっては、かみ合わせを調整するために、歯を少し削ったり、詰め物や被せ物を作り直したりすることがあります。正しいかみ合わせを回復することで、顎関節への負担を軽減します。
4.噛み合わせの総合的な再構築
複数の歯に問題がある場合や、全体的なかみ合わせの再構築が必要な場合は、複合的な治療計画を立てることがあります。これには、インプラント治療や義歯の作製、矯正治療などが含まれることがあります。
丁寧な歯磨きと定期的なフロスの使用は、歯の健康を維持し、歯の喪失を防ぐための基本です。
無意識の歯ぎしりや食いしばりに気づいたら、その習慣をやめるような意識づけやストレス管理、就寝時のマウスピース(ナイトガード)の使用を検討しましょう。
定期検診で、かみ合わせの変化や歯の問題を早期に発見することができます。早期発見・早期治療が、大きな問題を防ぐ鍵です。
日常的に顎のストレッチを行うことで、顎の筋肉をリラックスさせ、顎関節の健康を維持することができます。
硬すぎる食べ物を頻繁に噛むことは、歯や顎関節に負担をかけることがあります。バランスの良い食生活を心がけ、適度な硬さの食べ物を意識的に選びましょう。